タビモノ 2011:熊野 vol.1 「神秘の地・熊野古道をゆく」

タビモノ 2011:熊野 vol.1 「神秘の地・熊野古道をゆく」

ネオンが消され、薄暗い新宿に大慌てで到着したこの日。
23時過ぎに出発する深夜バスに11時間程揺られ、和歌山駅を目指しました。

タビモノ 2011:熊野 vol.1 「神秘の地・熊野古道をゆく」

カーテンの間から差し込む太陽の光で目覚め、気づけば和歌山駅。
そこからはJR特急スーパーくろしお3号に乗り、青い海岸線を横目に今回の目的地、紀伊田辺駅へ向かいました。

私たちを出迎えてくれたのは、み熊野ねっとにて熊野の魅力を紹介している「哲さん」こと大竹哲夫さん。

駅に着くと自己紹介はほどほどに早速、田辺市で誕生した武蔵坊弁慶などについてご説明いただきました。

タビモノ 2011:熊野 vol.1 「神秘の地・熊野古道をゆく」

その後、紀伊田辺駅周辺を案内いただき、到着したのが、「南方熊楠顕彰館」。
南方熊楠とは、熊野が誇る世界的博物学者で、特に粘菌について日本の基礎を固めた方です。
ロンドンの大英博物館で研究を重ね、自然科学で世界的に有名な「nature」紙で論文が掲載されたこともあります。

顕彰館は、木材をふんだんに使用した立派で素敵な建物でできています。
生家や庭、植物も残されていて、熊楠の「生」を少し感じられた気がしました。
また、地元の人々により大切に後世へ受け継がれているのを強く感じました

タビモノ 2011:南方熊楠の生家

顕彰館には熊楠が調査し、今では一般人の出入りが禁止されている島、「神島」(かしま)についての展示も多くあり、興味が湧いた私たちに哲さんは、

「神島が見えるポイントがあるから、最終日に連れてってあげるよ」とのこと。

名ガイド哲さんのおかげで、早くも熊野の魅力にハマり始めた1日目です。

夕方、南紀の海岸線を美しい夕日に圧倒されながら、紀伊勝浦へ移動しました。
温泉で有名な勝浦。
地元の方にホテル浦島へ連れて行っていただきました。

「帰りは船で帰っておいで」と言われ、意味を理解できなかった私たち。
とても大きなホテルで迷いそうになりながらも、床に引かれた線を頼りに今回お薦めされた「忘帰洞」へ向かいました。

タビモノ 2011:熊野 vol.1 「神秘の地・熊野古道をゆく」

用意をし、温泉へのドアを開けると、まず聞こえてきたのは岩にぶつかる波の音。
辺りを見回すと、大きな洞窟の中にいる私。
ぽっかり空いた横穴からは暗闇に輝く月と漆黒の海。
そこは今まで経験したことのない自然に出来た海を感じられる温泉でした。

温泉に大満足し、後は待ち合わせ場所へ。
船でとのことだったので、ホテルを歩いていると船乗り場を発見!
乗り込むと、小さなフェリーのような船は真っ暗な海の中を出発しました。

そこで、私たちはそこのホテルが、島の上に建っていることや、島全体が巨大なホテルになっていることに気づき、圧巻されました。
キラキラなネオンがジブリ映画の中のようで、現実味が薄れて行くのを感じる不思議な夜となりました。

タビモノ 2011:熊野 vol.1 「神秘の地・熊野古道をゆく」

その後、港で待ち合わせをしていたヤマサ脇口水産の脇口社長さんと合流し、お食事処「桂城」へ連れて行っていただきました。

勝浦といえば、鮪で有名です。

桂城さんでは、本場の鮪を様々な方法で調理し、その美味しさでお客さんを驚かせてくれます。
私たちはとても新鮮で、旨味たっぷりの鮪を始め、その日に水揚げされた魚を使った珍しいお料理をたくさんいただきました。

特に鮪は味が濃く、身が締まっており、今までにないほどの美味。
本場の味に感動の連続で、勝浦のこだわりや誇りが垣間見えた気がします。

タビモノ 2011:熊野 vol.1 「神秘の地・熊野古道をゆく」

話にも花が咲き、夜遅くまで宴が続いた後、私たちは夜の勝浦の街を歩きながら気持ちのいい海風に当たり、熊野での1日目を終えました。

 

【旅のモノ語り:2011.3.19】